底力

僕はSelmer社のSuper Balanced Actionという1950年前後の楽器を使っています。90年代半ばから急に人気が出てきた楽器で、当時ジョシュアレッドマンはじめ憧れのプレーヤーが使っていた事もあり、オランダの留学前に入手しました。

大学生の頃は同じくSelmer社の「Series II」という新しい楽器を使っていたのですが、当時は楽器の知識があまりなく「どんな楽器でも鳴らすのは、演奏者のスキル次第」だと思い込んでました。

若気の至りとはいえ、いやー間違ってましたね(汗)。

さらに、ヴィンテージの楽器は高価という事もあって興味の対象というよりも、当時の僕にとっては現実的ではなかったので「今の楽器で最高のパフォーマンスをするぞー!!」と意気込んでさえいました(苦笑)。負けるものか!と勝手にライバル視していたのも事実です(笑)。

10年以上経った今思うのですが、自分の音色は楽器が決めると言っても過言ではないのですね。あこがれや理想があるのならば、先ずは楽器だと思います。楽器をコントロールするスキルが必要なのはもちろんなのですが、自分の音色は楽器が育ててくれます。

今の自分の音色は間違いなくこの楽器に「育ててもらった」と思います。これからもどんな音色になるのか楽しみです。

タイトルの底力ですが、外国のプレーヤーを聴いていると音が根本的に違うと感じる時がありますよね。そんなシーンを目の当たりにすると「やはり楽器ではないな」と話が振り出しに戻ったりします(笑)。体格の差ありますが、実はこれ「楽器をどう鳴らしているかという事ではないか?」と思うのです。

楽器の底の部分を狙って振動させるサウンド、息の使い方。この事を意識するとより「っぽい」音になります。「底力」の意識。吹いていると色々な気付きがありますね。


やはり僕は楽器に育てられているなぁ。

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石川周之介プロフィール